2012年3月4日日曜日

富士通とぐるナビが健康管理+食情報の新サービスの実験 ⇒ O2O型のコラボレーション・サービスとして注目


ビッグデータのトレンドの中で注目されているもののひとつにライフログというものがあります。IOT(モノのインターネット)を利用し、一人ひとりの日常生活での情報を取得してサービスに利用しようというもの。その具体的な事例となる実験を富士通が開始します。

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  富士通の実験とは? ⇒ 健康管理+食情報の新サービス
富士通が3月から実施する実験では、健康増進支援サービス「からだライフ」グルメサイトの「ぐるナビ」連携させるというもの。「からだライフ」は、携帯電話やスマートフォンで自動的に計測した歩数などを記録を元に健康管理の支援をするサービス。この健康支援サービスの情報をもとに、オススメのお店まで歩くことを促す“カロリー消費型クーポン”や、油を控えるなど食べるものを調整するように促す“カロリー摂取型クーポン”などを「ぐるナビ」が提供します。

実験自体は、富士通川崎工場の従業員がモニターとなって、神奈川県川崎市中原区と高津区の飲食店の協力の下に実施するとこのことです。当然、実験ですので一般の方は参加できません。


  実験のポイントは? ⇒ サービスとしての面白み
今回のチャレンジでは、コラボレーションによる価値が生まれるかどうか、に注目すると面白そうです。とくに
 ・サービスとしてのコラボレーション
 ・O2Oとしてのコラボレーション
の2つの観点には注目です。

サービスとしてみると、健康管理にとって外食は対極にいるような存在。その外食を健康管理に取り入れるとなれば、外食ビジネスのあり方にもインパクトを与えます。すくなくとも、外食で“健康”を管理するという概念が生まれ、そこから波及すれば食育事業、福祉事業などへの可能性をさらに高められるのではないでしょうか。また、外食に限らず、一見背反しそうな関係にあるサービスでもコラボレーションの可能性があることを示す事例として、イノベーションのきっかけを多方面に与えるかもしれません。

O2Oとしては、携帯センサーによる情報+クラウドによるデータ管理というOnlineサービスと、外食というOfflineサービスがダイレクトに結びつく事例となります。しかも今までのくーぽんのような単純なサービスではなく、一連のユーザ行動に含める形でOnlineもOfflineもサービス提供をするわけです。加えて歩行距離に応じたクーポンの発行など、ゲーミフィケーションの要素も含まれてきます。O2Oのユーザエクスペリエンスのカタチを示してくれるかもしれません。

もちろん、富士通やぐるナビは事業としての実証実験が必要ですので、
 ・店舗への送客状況
 ・ユーザの利用満足度
 ・ユーザの生活習慣の改善度
 ・店舗側の満足度
を検証し、事業としての可能性を探ることになっています。実証実験をへて、ダイエットアプリといった形で公開される日が楽しみです。


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