2012年4月6日金曜日

アメリカの約半数の世帯が所有するApple製品 ⇒ ステータスの象徴的なブランド、しかし実は今正念場にあるのかも


New iPadがリリースし、17年ぶりの株主配当も行う、何かと話題の尽きないApple。そこまで成長した背景には、私たちの生活にナチュラルに入り込んでいる、ということが要因としてあるようです。

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  普及していくApple製品 ⇒ アメリカの約半数の世帯はApple製品を所有
アメリカCNBCが2012年3月28日に発表した「CNBC’s All-America Economic survey」によると、アメリカの家庭では1世帯あたり平均で1.6台のApple製品を所有している、という結果が出ています。2台以上持っている家庭も35%あり、複数のApple製品を利用しているケースは少なくないようです。

また、年間所得が高い人ほどApple製品を持っている率が高くなっています。年収3万ドル未満の場合Apple製品の所有率は28%であることに対し、年収7万5千ドル前後では77%にまでいたります。家族構成別で見ると、子どものいる家庭での所有率は61%であり、子どもがいない家庭の48%を上回っています。


  Apple製品はただの道具? ⇒ 日常で使う、ステータスあるブランド
Apple製品の所有率からApple製品は私たちの生活に定着化していることが伺えます。しかも、単に日用品として使われる製品ではなく、社会的ステータスをイメージさせる製品となっていることが高所得者ほど所有率が上がっている、という点からも読み取れます。また、子どものいる家庭で所有率が高くなっていることから、子どもの教育でも利用している可能性が考えられます。


  日本でも浸透しているApple製品 ⇒ ANAではマニュアルがiPadに
Apple製品が浸透していることは日本でも変わりません。IDC Japanの発表によると2011年10月~12月の携帯電話出荷台数のメーカ別シェアでAppleはトップの26.6%。他のメーカーが複数の機種を提供していることに対し、AppleがiPhoneのみで展開していることを考えればこの数字は驚異的です。

またビジネスの側面でも、ANAでは客室乗務員のマニュアルを2012年4月からiPadに完全に切り替えるなど、その浸透度合いが見て取れるニュースが伝えられています。


  この先どうなる? ⇒ 当面は堅調に、Appleの正念場は3年後
Appleはこの先も私たちの生活に深く浸透し、そのブランドを高めていくのでしょうか。iTVのリリース、iPhone5のリリースなどで2012年は勢いを維持することはできるでしょう。したがって、当面1~2年はAppleの製品が浸透してくるもの、と捉えてビジネスを考えてよいと思います。とくにアプリ開発であれば、iPhoneやiPadを前提につくり、そこからAndoridなどに向けて展開したほうが開発負担を下げることができそうです(Androidは機種別の誤差もあるので)。

しかしながら3年先を見据えた場合は状況が変わってきそうです。その理由は、17年ぶりに株主配当を行うことになった、という事実があるからです。スティーブ・ジョブスが健在だったときも高収益体質であったことは変わりません。しかし、配当は行うことはありませんでした。しかし、スティーブ・ジョブスがこの世を去り、わずか半年程度で株主配当をすることになった。これは株主とティム・クックを中心とするApple経営陣との力関係に変化が起きている、ということを意味しています。以前のようにAppleが主体となったイノベーションを推し進めることは難しくなり、株主の影響を強く受けるようになるのかもしれません。また、3年後にはスティーブ・ジョブスが残していったアイディアも底を尽きてくるでしょう。ある意味、Appleは今正念場に置かれており、その結果次第では3年後に全く違う状況になる可能性もあるのです。