2012年9月27日木曜日

気になるニュース(09/26) JTB、学生目線で観光プラン ⇒ 新規ビジネスは共創型マーケティングで

愛媛県と広島県が共同で設立した「広島県・愛媛県広域観光連絡会」はJTBとの協力のもと、県内在住の大学生を中心に観光プランを作成する事業を展開します。両県に若年層の観光客を誘致することが目的。愛媛学生が作った観光プランを広島県の学生がモニター調査、またその逆のパターンを実施し、観光プランとして仕上げていくとのこと。旅行プラン自体は12月より発売を予定しています。

norio.nakayama

この取り組みはまさに共創型マーケティング。コトラーの言うマーケティング3.0。実際に利用する“買い手の視点”と、提供する”売り手の視点”の双方を得て、新たな知=”ほんとうに求めているものは何か”を追求し、価値を創造して商品化するアプローチといえます。

今回は学生がターゲットになっていますが、このフレームを例えば高齢者、外国人などに振り替えても十分に成立させることが可能です。また、他の地域に拡大することも可能です。ビジネス的にはここが非常に重要なポイント。特定地域で学生だけをターゲットにしても、そもそも学生の観光消費額が小さく、少子化によってターゲットの絶対量も少なくなっており、ビジネスとして成立させることは容易ではありません。しかしながら、今後、アクティブシニアや外国人観光客など、観光消費額が大きいターゲットに振り替えれば、長期的にビジネスとして成熟していくことが期待できます。地域経済活性の貢献にもつながるでしょう。

ちなみに今回、ターゲットを学生に置いたのは、プランニング費用やモニター調査のコストがかからないようにして、フィージビリティスタディとしてまずはやってみる・実績を作る、といった狙いと考えられます。ビジネスの基本である、スモールスタートというものですね。